Ben Gibbardの泣きメロが素敵です。

元々はカセットでリリースされた作品で、この時点ではBen Gibbardのソロ・プロジェクトでした。
1曲目から8曲目までがカセット・リリース時のオリジナル収録曲。9曲目のThe Smithsのカバー"This Charming Man"以降はCDのボーナストラックです。
オリジナル音源は大半が次作"Something About Airplanes"に再収録されており、デモヴァージョンのような位置づけと言えるかもしれません。

バンドとしてのデビュー作。
大半が"You Can Play These Songs with Chords"の再録曲。サウンドが完全にバンド・サウンドとなっていくぶん洗練された印象を受けますが、基本は依然シロートバンド然としたローファイ風味。

バンドとしての2作目。
前作同様のローファイ志向ですが、だいぶバンドとしてこなれて来たのか、サウンドに厚みが出てきました。
サウンドの深化がメロディーの良さを引き立てています。
DCFCとしての色が確立した作品と言って良いでしょう。

更にバンドサウンド志向を強めた3作目。
ドラマーが替わった影響があるのか、リズム・セクションのエッジが立ってます。
カテゴライズ的にはエモっぽい仕上がりっつうことになるんでしょうか。
個々の楽曲のトーンは美メロでポップ志向なのだけど、通して聴くとずいぶん「ロック」を感じさせる出来上がりになっています。

4作目。
楽曲のクォリティも高い上に、バンド・サウンドとしての完成度も高い傑作。
メロディアスでポップでエモーショナルでちょっとパンキッシュ。
1曲目の"New Year"を始めとしてアメリカン・インディーズ・ポップ・ロック魂溢れる名曲が並んでいます。
素晴らしいです。

メジャーのAtlantic移籍第1弾となった通算5作目。
前作に勝るとも劣らないアメリカン・インディーズ・ポップ・ロック魂溢れる名盤。
リリース時のレビューはこちら。

現時点での最新作。
基本線としては、メロディアス・ポップ色を抑えて、緻密なバンド・サウンド追求方向に向かっていると言えますが、今までの作品に比べると楽曲ごとの志向が多彩になっています。
一聴した限りでは、地味で、やや焦点が定まっていないような印象を受けたのですが、何度か聴きなおすうちに意図が見えてきました。
DCFCに対するイメージが固まって、セールス的にも順調に伸びている中で、以前と同じことやっててもつまらないので、ちょっとスカして、わざと外してみたというところでしょうか。
商業的な成功だけを目指しているわけではないからこそできる冒険と言えます。
まさにインディーズ魂。
(通算523枚目〜529枚目)